BOOMERANG12
革新デザイン「ウエーブリーディングエッジ」Boomerang 12は、これまでにない形状の「Wave Leading Edge」を導入したモデルです。ザトウクジラの結節にヒントを得たこの技術は、Gin Glidersが韓国の蔚山科学技術院と共同で運営する風洞実験プロジェクト「GIN ラボ」を通じて、パラグライダーで具現化されました。ウェーブリーディングエッジは、翼を流れる気流の剥離を遅らせることで、すべての迎え角で揚力を増加させます。これに伴い失速は遅延し、小さい迎え角の抗力が減少し、高速性能が向上します。Boomerang12では空力効率が良いおかげで、アスペクト比とセル数を減らすことさえできました。その結果、よりコンパクトでありながら、より高い性能を持ち、より飛ばしやすい翼が完成したのです。この革新的なデザインをぜひお試しください。
- 製品名
- BOOMERANG12(ブーメラン12)
- 定価
- ¥935,000(税抜価格:¥850,000)
- メーカー
- GIN GLIDERS
- 認証
- CCC
- カテゴリ
- 競技用
テクニカルデータ
サイズ | S | SM | M | ML | L | XL |
---|---|---|---|---|---|---|
セル数 | 105 | 105 | 105 | 105 | 105 | 105 |
投影スパン(m) | 10.22 | 10.53 | 10.64 | 10.86 | 11.22 | 11.54 |
投影翼面積(㎡) | 18.17 | 18.94 | 19.72 | 20.54 | 21.90 | 23.16 |
投影アスペクトレシオ | 5.73 | 5.73 | 5.73 | 5.73 | 5.73 | 5.73 |
スパン(m) | 12.74 | 13.00 | 13.27 | 13.55 | 13.99 | 14.39 |
翼面積(㎡) | 21.50 | 22.41 | 23.33 | 24.30 | 25.92 | 27.41 |
アスペクトレシオ | 7.55 | 7.55 | 7.55 | 7.55 | 7.55 | 7.55 |
機体重量(kg) | 5.7 | 5.9 | 6.0 | 6.1 | 6.3 | 6.5 |
フライト重量(kg) | 80-95 | 95-105 | 100-112 | 105-117 | 110-127 | 120-137 |
認証 | CCC | CCC | CCC | CCC | CCC | CCC |
カラー
ORANGE
TURQUOISE
特徴
- ウェーブリーディングエッジは、すべての迎え角で揚力を増加させ、低い迎え角で抗力を減少させます。
- 第3世代の均圧化技術(EPT)
- 2ライナー/スパン方向に2本のメインライン
- トレーリングエッジのミニリブ
- Bライザーイージーコントロールバー
BOOMERANG12には次のものが付属します
ザックは付属していません。ザックの詳細は、グライダーアクセサリーをご参照下さい。
フォトギャラリー
デザイナーノート
デザイナー ジンソクソンが語る「Boomerang 12のプロセス」
「GIN ラボ」は、パラグライダーにおける次のブレークスルー技術を見つけるために設立されました。アスペクト比やセル数の変更だけでは可能性の限界に近づいていることを認識し、物理的に大きな変化を求めるようになったのです。蔚山科学技術院のキム・ジュハ教授に相談したところ、キム教授がザトウクジラのフリッパーの先端部の結節を研究していることに興味を持ちました。
そして、風洞で実際にシミュレーションを行うのがベストな方法だと判断しました。風洞実験は難しく、費用もかかりますが、純粋なソフトウェアによるシミュレーションでは限界があります。幸い研究費を確保することができ、2019年にGin Glidersと蔚山科学技術院の共同研究として「GINラボ」が誕生しました。
キム・ジュハ教授 :生物は何百万年という時間をかけて、環境に対応するための非常に有効なメカニズムを進化させてきました。その一例が、ザトウクジラの胸ビレにある結節です。
ザトウクジラの胸ビレにある結節は、大きい迎角で力を発揮することが確認されています。これにより、ザトウクジラは巨大な体にもかかわらず、驚異的な俊敏性を発揮するのです。Ginがパラグライダーの性能に関するいくつかの課題を説明した後、私はこのコンセプトをパラグライダーにどのように適用できるかに非常に興味を持ちました。この翼型はゆっくりと失速へ移行し、より高いピッチ角で操作することができるため、揚力が増加します。抗力ペナルティは著しく減少し、翼端失速は減衰し、完全に除去することさえできます。このような性能特性の組み合わせは、翼型が超安定で非常に効率的であることを意味します。
私たちは、風洞を貴重な道具と考え、小さな改良を何百回となく繰り返すことができるようにしました。何百回もの実験と、小さな改良の繰り返しが可能です。
Gin Seok Song:最初の課題は、基本的な風洞実験の結果を、私たちのコンピュータシミュレーションや実際の翼の挙動に関する実践的な経験に適合させることでした。良いモデルができたところで、前縁のさまざまな構成を試すことができました。そして、最も有望な結果を得て、実際のパラグライダーを作りました。特に、翼の安定性と上昇中の沈下率に関して、このコンセプトが可能性を秘めていることはすぐにわかりました。
1年半後、プロジェクトは新しいリーディングエッジ技術を搭載したBoomerang 12を認証できる段階まで進みました。海の生物からインスピレーションを得て、正弦波状の外観を持つことから「Wave leading edge」と呼ぶことにしました。驚くべきは、認証取得の容易さです。コラップスの後、シューティングは大幅に減少し、前世代の2ライナーで問題だったスネークのように不安定な翼端はもうそこにはありません。このグライダーは、当社のファクトリーパイロットによって、2021年のPWCスーパークラスで初飛行されました。その後、PWCトルコで総合優勝、2022年にはPWCブラジルで1,2,3位を獲得しています。安定性と高い迎え角の性能は、ほとんどのカテゴリーのグライダーに恩恵をもたらすはずで、私たちはウェーブリーディングエッジの未来にとても期待しています。